春あるいは梅雨の短歌たち「季節は過ぎて」

自身のTwitterをさかのぼって"#tanka"を含むツイートを数えれば、そのときにどのくらい恋をしていたかがわかる。そして、それらの歌から、当時の気持ちがわりと詳細に思い出される。そういう点で、短歌は写真に近いものがある。

2013年3月から6月の短歌をまとめた。

slashed

スピッツを聞いて走れば春が来る 気がしてただけ 5年前から

ゆっくりと音も立てずに崩れ去る何かを必死に食い止めている

アスファルト濡らしてる雨 夕方のふたり切なくさせている春

僕はただ「大丈夫だよ」というくらいしかできないが君思ってる

はなだんのようにきゅんきゅんする恋も悪くないよね 夜の東京

アンニュイな春の別れを口ずさむばかりのうたを聞いている夜

「君が好き」16小節くりかえす歌もたまには悪くないねと

シリアスな話をしてるカップルと暮れゆく空とジャズを聞く僕

染まる

雨の中トラック飛ばす あの夏の思い出積んで次の季節へ

雨空に「なんか面白いことない?」と問いかけるだけ それだけの午後

夏が来ることよりきっと必然の恋をした夏思い出す梅雨

買い物しようよ!

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