Windows 10がブルースクリーンで起動できない
Windows 10の無償アップグレードが提供されて2週間が経つ。僕ももちろんインストールしたのだが、およそ4年前のVAIO、しかもHDDとか無線LANとかを換装してあるオリジナルモデルというだけあって、そう簡単にはアップグレードさせてくれなかった。
アップグレードが完了し再起動すると、早速ブルースクリーンが登場した。原因となっているドライバは"epfwwfp.sys"だった。調べてみると、僕が長年愛用しているセキュリティソフトであるESET Smart Securityのドライバだった。アップグレードの前には必ずセキュリティソフトをアンインストールするべきだと知っていながら、それを怠った自分が悪い。ひとまず、このドライバファイルが読み込まれないようにしなければ起動できない。
ということで、"epfwwfp.sys"を削除もしくはリネームするしかない。Windowsは起動時のエラーが2回発生すると「トラブルシューティング」の画面が現れる。ここでセーフモードで起動できればいいのだが、起動しない場合も多いのが現実だ。ということで「詳細オプション」から「コマンドプロンプト」を開くほかには選択肢は残らない。
コマンドプロンプトはおそらくXドライブがデフォルトになっているはずだが、まずはシステムドライブを突き止める必要がある。Dドライブの可能性が高いが、片っ端から試すしかない。僕の場合は、システムドライブがBitLockerで保護されていたため一苦労だった。BitLockerを解除できなければ、問題のドライバファイルを削除することはできない。この段階で一瞬諦めかけて、新規インストールをしようかと思ったほどだ。
コマンドラインからBitLockerを管理するコマンドがあった。"manage-bde.exe"である。
"manage-bde.exe -unlock D: -RecoveryPassword [回復キー]"
というコマンドでBitLockerで保護されているドライブへアクセスが可能になった。回復キーはパスワードではない。BitLockerを設定したときに出てきたやたらと長い数字列である。僕はそれをちゃんと控えていた。
ここまできたら簡単である。
"ren D:\Windows\System32\Drivers\epswwfp.sys epswwfp.bak"
みたいな感じでいいだろう。とにかく問題のファイルが存在しなければいい。それから再起動したら無事に起動してくれた。あとは、セキュリティソフトをインストールしなおせば解決である。
しかし、僕の環境では更なる問題が発生した。Synapticsのタッチパッドのドライバがよくなかったらしい。起動したあと、一度でもタッチパッドに触れるとそこでフリーズして全く応答しなくなるのだった。同じトラブルは以前にWindows Updateを実行したときにも起きていたので、原因がタッチパッドのドライバであることはおおよそ見当がついた。
結局のところ、マイクロソフトが提供するSynapticsのドライバファイルに問題があるみたいだ。前回もそうだった。すべての操作をキーボードで行い、Synapticsの公式サイトから最新のドライバを入手した。そしてインストールした。そうして、僕の古いVAIOはようやく起動するようになった。
結局のところ、ブルースクリーンの多くはドライバのエラーにより発生して、解決にはドライバを読み込ませないようにする、つまりドライバを削除またはリネームすることで解決できる可能性が高い。セーフモードで起動できればいいし、そうでなければコマンドプロンプト、あるいは外部ストレージからUbuntuなどのOSを起動するのもいいだろう。システムドライブがBitLockerで保護されている場合は、先述のとおり"manage-bde.exe -unlock"コマンドで保護を解除する必要がある。緊急時のためにも回復キーは必ず保存しておく必要があることが実証された。
夜遅くにアップグレードを始めてしまったため、問題の解決は翌日になってしまった。いつの時代もWindowsが突然表示する青い画面にはヒヤッとさせられる。いつだって、もうダメかと思う。それを乗り越えることができるものだけが、複雑なWindowsというOSを使うことが許される、なんてことは決してない。Windowsはいつの時代も素晴らしいOSであり、今回のWindows 10は実によく改良されている。Windows 7以上を使っている人は、ブルースクリーンを覚悟の上で今夜にでもアップグレードしたほうがいいだろう。
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