ステルス・マーケティング(ステマ)という言葉が流行ったのは、食べログのやらせ事件のあとだろうか。その名のとおり、消費者に宣伝だと気づかせないようなマーケティングのことです。食べログでは、いいレビューを書いてもらってポイントを上げるという行為が流行しました。
検索してみるとわかりますが、僕たちの日常はステマにあふれていると言っても過言ではない。そもそも、マーケティングと、ステルス・マーケティングの境界線は極めてわかりにくいものかもしれません。お願いランキングだって、実は広告の塊ですよね。企業や商品の特設サイトに設置された「いいね!」ボタンも、拡散効果の極めて高い(とは決して限らない)ステマといえるでしょう。
まあ、あのボタンも人々が慣れてきたということもあって、今までより押されにくい感はあります。単純に「いいね!」と思って押すというよりは、このページを自分が拡散していいのか(友達から見たらウザくないだろうか)、ということさえ考えて押すようになったのではないかと思う。
僕もいろんなサイトを作ってきて思うのですが(もちろんこのブログもですが)、Facebookの「いいね!」ボタンやシェアボタンはよほどじゃなきゃ押されなくなりました。アルファなユーザーは、企業のステマに自分が荷担している(まんまと騙されて押しちゃってるよ!)と友達に思われることを気にする、ということさえあるでしょう。「いいね!」を押さないとコンテンツが見られないなんてものは、もう常套手段で、大して珍しいものではないですし。あとは、自分のいいと思うものや、好きな人とかを、堂々と言わないシャイな国民性ということも関係しているように思います。リツイートさえ慎重になってしまう。
というわけで、「ソーシャルメディアを使った宣伝は、実はそんなに意味ないんじゃないか説」を今日は提唱しておくことします。いや、実はステマの話よりも、(この説を立証するための)もっと核心的なトピックがあるのですが、もうちょっと頭の中でまとめてから書くことにします。
さて、前置きはこのくらいにして(前置きだったのか…笑)、今日は恋のステルス・マーケティングについて書こうと思います。マジでどうしようもなくくだらない話なので、期待して読むことは避けた方がいいでしょう。そして、今から書くことは、僕のまわりの友達から聞いてきたことを、ステマに絡めてネタにしているだけで、必ずしも僕の考え方と合致するものではありません(笑)。
好きな人ができて、恋をすると、ついついアピールしてしまうものです。メールを送ってみたり、電話をしてみたり、はたまた短歌を送るなんて野郎も僕のまわりには結構います。もし相手も自分のことを気にしているならこの姿勢は有効かもしれませんが、そんなことはそうそうないですよね。この普通に正面から攻める方法を「恋のマーケティング」と呼ぶなら、今日紹介するのがまさしく「恋のステルス・マーケティング」です。簡単に言うと、相手に自分の好意を見せないようにしつつ、自分のことを気にさせる、ということです。
実際に何人かの友人に聞いた有効的な手段は次のようなものがあります。
- あえて時間をおいてメールを返す。
- そっけなくメールを返す。
- 食事の席でメールが来たとき、ササッと読んで、微笑する。あるいは首を傾けたりする。そして、「あ、ごめん、なんでもないぜ」という。
- 「なんか、春が来たみたいだね」と言う。
- iPodに山崎まさよしを選曲させるようにプレイリストを作っておく。
- 予定を聞かれたときに、具体的なことは言わず、「野暮用が…」と言う。
- 街角でバッタリ会う。
こんな感じであげだしたらキリがないわけですが、まあぶっちゃけこのような作戦は実に心が痛みます。実際問題、僕は実践したことがありません。(女の子はみんなこういうことしているの?)
実はそんなことをしなくてもよくて、今の時代だからこそ最適な、もっと簡単な方法があるのです。それは、TwitterやFacebookへの投稿を極端に減らすことです。要するに、自分の行動や属性をすべてソーシャルメディアに垂れ流しにしていることほど、自身の魅力を奪う行為はないということです。一日の行動を書き込まなければ、あなたのことを気にしている人は気になって夜も眠れないはずです。書き込むなら、具体性のないことにしましょう。「コーヒーが美味しいな」とかで十分なんです。いつの時代も、モテているやつとは、謎にあふれているやつなんです。
なんか上がりきらないテンションの夜に、キーボードを叩いていたらこんなものを書いてしまった。しょうもない記事を書いてしまったことを、本当にすまないと思っている…。
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