デバイスを使うひと、使われるひと

今日は、ガジェット系のトピックなんだけど、少しばかり違う方向の話をします。デバイスや環境をいかにして活用していくべきなのかという話です。

iPhoneやAndroidを使っているというのに、連絡先を端末本体に保存していて同期環境ナニソレ!という人を結構見かけますが、僕から言わせれば論外です。何のためのスマートフォンなんだって話です。

スマートフォンの一番の利点は、カメラでもSNSでもゲームができることでもありません。複数の端末間で同期ができることです。連絡先はもちろんのこと、Evernote、Dropbox、RSSリーダー、リマインダーなどなど、あげはじめればキリがありません。

ガラケーだった頃、複数の端末を持っている人や、そうでなくても律儀な人は、アドレス変更のメールを受け取ると、携帯端末だけでなくGmail連絡先やExcelのシートをいちいち書き換えていました。また、SDカードがない時代には機種変更をするたびに、店頭で移行作業をしてもらったものです(しかも地味に時間がかかる!)。それが、どうでしょう。今となっては、OSをまたいでの機種変更だって、Googleのアカウントを入力するだけで、メールと連絡先とカレンダーが勝手に降りてきます。何気なく使っているけれど、よくよく考えるとかなり便利なことです。

環境を同期できるということは、ユーザーは特に何も意識せずに場所や端末間を移動できるということです。出かける前に作業中のファイルをUSBメモリに入れることもないし、ましてやUSBメモリを田んぼに落としてしまって35時間の作業が水の泡ということもありません。書きかけのファイルはDropboxを経由して全ての端末で続きを書くことができ、iPhoneで読んだ記事はPC側でも既読になり、PCから返信したメールにはiPhoneでも返信済みフラグがちゃんと付いているのです。

都内のカフェや大学の図書館でワードやパワーポイントの編集に精を出している学生の多くが、ラップトップに(これまたダサい)USBメモリをぶっさしているのが、僕はどうにも気になってしまいます。家にも学校にもWi-Fiが飛んでるんだからDropboxとか使えばいいのにと、なんてあまりにも大きなお世話なんでしょう。クラウド環境が充実している現代においては、ストレージデバイスは特に大容量のデータを扱うときに使うものだと、僕の中で認識があるのだと思います。もちろん決してUSBメモリを使ってる人を否定するわけではないのだけれど、せっかく高性能のラップトップと常時接続のブロードバンド環境にお金を払っているんだから、それによって実現できる環境(しかも多くが無料で!)は最大限活かされなければもったいないと思うのです。

ちなみに、僕はここ2年くらいUSBメモリがなくて、たまに困ります。1本くらいは持っていたいものです。出先でセブンイレブンでファイルを印刷するときに、あると地味に便利です。僕はいつもカメラのSDカードを取り出して使っています。笑

一方で、クラウドに依存しすぎることは危険だという意見もあります。これも大いに賛成できます。僕たちが日々利用している多くのクラウドサービスは無料です。だから、もしそれらがいきなりサービスを終了したり、あるいはデータセンターが爆破されて大切なデータが失われても、僕たちは決して文句を言うことはできません(たぶん利用規約にそう書いてあるんじゃないかな)。だから大切なのは、冗長性です。まずいないと思いますが、Dropbox上だけにデータを保存するのではなく、ローカルにも、そして別の外付けドライブにもバックアップをしておくといいよ、ということです。それだけあればまず大丈夫でしょう。

逆にいうとクラウドの利用は冗長化そのものでもあると言えます。例えば、自宅の外付けドライブにデータをバックアップしておくことで、PCの故障には対応できますが、家屋の焼失や水没あるいはテロリストによる爆破には対応できないでしょう。しかし、クラウドに保存されたデータは助かるのです。

ちなみに、一番危険なのは、USBメモリにのみデータを保存していて、そこから直接ファイルにアクセスしているケースです。やつらは平気である日突然壊れます。というか、データが1ヶ所にしかない状態というのは、どんなデバイスであろうとかなり高いリスクを抱えているということです。例えば、あるストレージが365日に1回の割合で故障するとしたとき、2台に保存すれば、同じ日に2つのストレージが壊れる可能性は133,225(365年)に1回の割合になるわけです(この仮説が数学的・統計学的に正しくないというツッコミは受け付けない。あくまで感覚的なはなしとして)。

今日の記事も蛇行の連続になってしまいました。結局何が言いたかったのかというと、高度なデバイスを持っていながら無料で使えるサービスを活用しないことはあまりにももったいないし、それらを活用することで少しばかりはデータを冗長化できるのではないだろうか、ということです。

普段はTwitterで「恋のRAID」とかウザいことをつぶやいている僕ですが、たまにはマジメな話をしてみました。

買い物しようよ!

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コメント

  1. IPPEI より:

    myzw君
    コメントありがとう!
    そうなのよね。いくら身の回りのシステムが新しくなたっても、それ単体ではあまり活かし切れてないってことはよくあると思う。それらをうまく組み合わせることで、自然に冗長性を持たせることができるということが面白いのよね。

  2. myzw より:

    無駄を省き効率化するためのシステムも、結局は冗長性が大切で、多少の無駄が必要というところがいいね。