ブログを書いていると、書こうと思っていたテーマから次第に脱線していって、結局テーマが変わってしまい、最後にはタイトルを変更して公開する、なんてことはもはや常である。頭の中には常に書きたいトピックが転がっていて、しかもそれらは互いにリンクしているから、書いているうちに別のトピックについても書きたくなってしまう。これは非常にいいことだと思う。決して張り切って書くのではなく、肩の力を抜いて適当にキーボードを叩いているうちに気づいたら完成している、というくらいがブログという媒体にとってはちょうどいいのだと思う。

前回書いた「夢と希望の押し売り(大学卒業前に思うこと)」という記事は、実はある新書のレビューを書こうと思って書き始めたのだった。そしたらほとんど別のテーマの記事に変わってしまったので、気を取り直して本の紹介をしようと思う。

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理系バカと文系バカ(竹内薫)

そもそも、この新書を買ったの動機というのは、リンク先の記事でも書いてあるように、理系学生と文系学生の間には謎の大きな溝があるということを感じる機会が何度かあったからだ。この種の理系文系問題にとってすべてを説明できるような答えはきっとないし、どういう角度から見るかによっても様々な意見が出てくるだろう。だから別に自分としての結論を出そうとかいうつもりは全くないのだけれど、それでも何気に面白いトピックであり僕たちの話題に出てくることも少なくないのだから、少しばかり理解を深めておくのも悪くない。そんなことを思って買ってみた。

内容について簡単に触れておくと、カテゴライズしたがるのは何故だろうという疑問から導入され、文系バカと理系バカの具体事例をそれぞれいくつかあげる。それから、理系と文系ではどちらがトクなのかといったことや日本全体の理佳離れなどにも触れ、そして、文系の人にとっても理系センスを身につけることが重要、またその逆も然り、結局のところこれからの時代は「文理融合」がミソですよ、といった感じだ。

どちらかというと、具体的なエピソードをあげておもしろおかしく書いている本なので、(著者は科学者なのだが)強い理系の人(本書でいうところの「理系バカ」)にはもしかしたらあまりウケないかもしれない。おそらく、僕のような中立的な人はこの本をクスクスと読めるのだと思う。

2012年のうちにレビューを書いておきたかったのだが、年をまたいでしまった。せっかくなので2013年の目標のひとつに「中立的であること」をあげておきたい。もちろん文理融合というのもその一つだが、決してそれだけではなく、日常の多くのアンビバレントなことがらにおいて中立的でありたい。自分の意見やスタンスを持つということはもちろん大切だし、欠かしてはならない。ただ、それらが偏りすぎることはあまりにも危険だ。だから、意見を持ちつつも中立的な視点も失わずにいれたらと思ったのだ。