僕の友人に、ジャズが嫌いという人がいる。ラーメンが嫌いという人ならたまにいるけど、ジャズが嫌いという人にはなかなか出会あったことがない。たぶん、初めてだ。なんでも、崩した感じの演奏と、サックスの音色が好きじゃないらしい。99%のジャズ好きが「それがジャズだってば!」と口を揃えるところだが、ここはひとつ、初心者にとって入りやすいジャズを紹介しようと思う。

とはいっても、僕も初心者、まったく詳しくない。昔から好きで聞いているけど、ジャズの歴史だとか、誰それがどこそこで何年にレコーディングした盤がいいんだよ!みたいな知識は皆無である。ジャズのジャンルもいまだによくわからない(いつかいろいろ覚えてドヤ顔したいと思っている)。だから、紹介するといっても、今までにTSUTAYAで超適当に(実はAmazonのレビューを見ながら慎重に)借りてきてiTunesにアーカイブしてきた中からである。全然専門的ではない記事だけど、むしろ素人の素直な感想として読んでくれたら嬉しい。

というわけで、あまりアドリブしてなくて、サックスが使われていないジャズといえば、European Jazz Trio(ヨーロピアン・ジャズ・トリオ;EJT)がオススメだ。初めて聴いたのは半年くらい前なのだが、一瞬で気に入って、それ以来何枚かアルバムを借りている。お世辞抜きに、とてもよい。

クラシックやポップス(邦楽もある)のジャズアレンジがメインなのだが、これがまた素晴らしい。だいたいジャズアレンジっていうと、TSUTAYAでジャズの棚の一番下に並んでいてどれも陳腐なイメージがあるけど、このトリオのアレンジは本当に心地よい。多くが耳にしたことのある曲ばかりでメロディーを知っているから、わりとすんなり聴くことができる。

ジャンルとしてはたぶんピアノジャズといわれるもので、ピアノ、ベース、ドラムスで構成される。曲は全体的にしっとりとしていて、どちらかというと夜に聴きたいジャズである。ある程度のボリュームで部屋に流していても、決して作業のじゃまをすることはない。もちろん、ボリュームを絞っても心地よい。ちょうどいい言葉が見つからないけど、このトリオはBGMにちょうどいい。喫茶店で流れていたら、常連になること必至である。

僕が初めて借りて、European Jazz Trioにハマるきっかけになったアルバムが「Best Repertoire」である。小さいTSUTAYAでもたぶんあるので、よかったら聴いてみてほしい。

European Jazz Trioの全てのアルバム

一見すると敷居が高そうなジャズだけど、そんなことは全くなくて、最もフランクに聴けるジャンルの音楽だと、僕は勝手に思っている。部屋に適当に流しておくだけで、少しだけ気分が乗ってくる、という程度のものだと考えてイナフだと思う。桃栗3年ジャズ半年とはうまいことを言ったものだ。どうしてもジャズを好きになれないと思っている人でも、半年聴き続けていると、気がついたときにはだいぶ好きになっているらしい。