「○○か否か」という型は昔から好きで多用している。どこに惹かれるのだろうか。
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初恋(中原みすず)
最近読んだのが、この著書だ。中原みすず「初恋」。今までに読んだことのない類の「フィクション」であり、これは限りなく現実に近いものを感じさせ、ノンフィクションを読んでいるのではないかという錯覚に陥るかもしれない。例によるところの「フィクションか否か」である。
「中原みすず」という著者自体もプロフィールは非公開であるし、ネットで調べてみたところ、著書はこの「初恋」のみである。そして、何より面白いのが、この作品の主人公が「みすず」本人だということだ。
章の区切り方が細かく(約200ページの文庫で15章になっている)、好き嫌いはあるだろうが、この作品では効果的なのだと思う。短いなかで時間軸が長いからだ。
プロフィールを非公開にしていることで、作品の謎を深め、読者をうならせる。そんなエネルギーがあるのだと思う。久しぶりにいい本に出会った。たしか、新潮文庫の100冊に入ってたはずだから、書店に行った際は手にとってみてはいかがでしょうか。短いので暇な休日にスタバにでも行って読むにはちょうどいいと思います。
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