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クロネコヤマトに荷物を取り違えられたギャグのようなはなし

つい先日のこと。買ったばかりのカメラのレンズから異様なカタカタ音が聞こえることに気づいてしまった僕は、シグマのサポートセンターに送って修理してもらうことにした。

シグマの「18-50mm F2.8 EX DC MACRO キヤノン用」である。また記事を書こうと思っているが、かなりいいレンズだと僕は思っている。いいというのは、値段の割に高性能ということである。開放から解像感があり、手ぶれ補正までついている。重量こそそれなりにあるが、常用レンズとしては欠かせない一本となっている。

カメラバッグも使わずに常に裸でカメラを持ち歩いている自分としては、やはり扱いに問題があったのかという気もしつつ、それでも保証期間内だし、ズクを出して見てもらっておこうと思ったのだ。結論からいうと、謎のカタカタ音は手ぶれ補正ユニットの仕様であり、全く問題のないものだった。取扱説明書にもその旨が書かれていたわけで、最も愚かだったのは僕自身だ。ググっても何も出てこなかったから、焦って送ってしまったのだ。

前置きはこのくらいにしておいて、いよいよギャグのような本題に入ろう。

シグマのサポートは非常にしっかりしていて、レンズを修理に出す方法はとてもわかりやすくサイトにまとめられていた。修理依頼票のPDFはフォームになっていて打ち込んで印刷するだけ、着払いでレンズといっしょに送るだけだった。僕は感動しつつ、近所のクロネコヤマトの営業所にそれを持ち込んで発送した。はずだった。

翌日の朝9時ころ、シグマのサポートから電話が来た。なんて素早い対応なんだ!と僕は感動した。するとサポートの人はおかしなことを言った。「お客様から届いた荷物なんですが、中身が『冷凍みかん』だったのですが…。しかもクール便でない通常の荷物として届いておりまして、すでに溶けておりまして…」

「え?私が送ったのは冷凍みかんではなく、間違いなくレンズですよ…」送り状の番号を読んでもらったところ、僕が発送した(はずの)荷物に間違いなかった。だが、中身は冷凍みかん。

つまり、こういうことだ。ヤマトの営業所で荷物を発送する際、ちょうと同じ時刻に来店して発送した他人の荷物と取り違えられて送り状を貼られてしまったのだった。それはつまり最悪のシナリオを意味していた。その方の冷凍みかんは溶けてしまい、かわりに僕のレンズはキンキンに冷凍されてしまったのだ。

それから、僕とヤマト運輸とのバトルが始まった。ヤマトのサポートセンターはありえないくらい電話がつながらなかったし、営業所の電話番号は公表されていない。そういうポリシーらしいが、このようなトラブルの際には非常に面倒なことは言うまでもない。いちいちセンターに電話をして(すぐにはつながらないし、音声案内に従ってプッシュしなければならない)、どこそこの営業所につないでくれと言うと「それはできません、折り返します」となる。その方法によるやりとりを、10回ほど繰り返すことになったのだから、僕の怒りは既にマックスである。

そして、営業所の電話の態度もまた最悪だった。1回目に電話をしたときに、僕の言いたいことをすぐには理解してくれず、お客様が荷物を出し間違えたのか?的なことを最初は言ってきた。違うっつーの!そして、やっと理解してくれたかと思ったら「ではひとまず探してみて連絡します」

今回の件で僕がもっともキレたのはそこだ。ひとまず探してみますとは、何を眠いことを言っているのだろうか。客の荷物が誤発送されて行方不明になっているというのに、しかも冷凍便で凍ってしまっているかもしれないというのに、事の重大さに全く気づいていないようで、はなはだ憤ってしまった。

結局その日の夜遅くになって、ようやく見つかったと連絡がきた。愛知県のどこかのお宅にみかんの代わりに届けられたらしい。態度は相変わらずだったが、次の日にはシグマに届くように手配したとのことで、1日遅れるだけで済んでよかったと思った。しかし、冷凍されたことによる結露などの心配が残ってしまった。

さらに次の日、シグマからレンズが届いたことの連絡が来た。相変わらずシグマのサポートの対応は素晴らしいものだった。冷凍されたことや、ワレモノじゃない扱いで運ばれたことを伝えたところ、それらも含めてしっかりと検査をすると言ってくれて、とても安心した。結局のところ、レンズは全くもって無事だった。カタカタ音も仕様だったし、マイナス15℃で冷凍されたくらいでは壊れないくらいには頑丈にできているようだ。

シグマによると、愛知県から送り直されたレンズは、あたかも僕の住所から送られたように通常通り送り状が貼られて届いたそうだ。1日遅れたことや、冷凍されたことなどが伝えられることはなかった。荷物がカメラのレンズであることは知っていたのだから、せめて誤発送のために冷凍されたことくらいは伝えて欲しかった。なんというか、全てにおいてヤマトの対応の悪さが露呈した結果となってしまった。

まあ、レンズは無事に帰ってきてよかったし、今回の件はいろいろと勉強になったとも思う。もっとも愚かだったのは僕だ。営業所の店員が送り状を貼るところをこの目で見届けなかったからだ。荷物をはかりに置き、送り状を渡し、店員がそれにスタンプを押し、控えを渡された時点で店を出てしまった。これは大きな反省点だ。箱も、家にころがっていた落花生の箱だった。FRAGILEとでも書いておけばもしかしたら防がれたかもしれない。

そして、もう一つの反省点はやはり、レンズの説明書を読まずに、慌てて修理に送ってしまったことだ。せめてサポートに電話して症状を伝えてから決めればよかった。修理に送らなければ冷凍されることもなかったのだから…。

買い物しようよ!

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