10年前に書かれた小説「首都感染」を読んでみた

たまたまAmazonがレコメンドしてきたものだから、Kindleでサンプルを読んでみた。Kindleのサンプルって結構長く読ませてくれて、そこまで読んで購入しないという選択肢は与えてくれないよね。ズルい。

今日紹介するのは「首都感染」という本である。

ごくごく簡単に説明すると、強毒性のH5N1型インフルエンザが、何らかの変異をしてヒトに感染するようになってしまい、世界中で多くの人が死亡していく中、いかにして日本をウイルスから守るかという物語である。小説内での強毒性H5N1型インフルエンザの特徴は、呼吸器だけでなく全身にウイルスが回って多臓器不全で死亡するという点だ。潜伏期間は5日前後で、致死率は60%。やばいよね。

物語の主人公は瀬戸崎という医者だが、他にも、総理大臣はじめ政府関係者、研究者やWHOの人など、多くの人々の目線からリアルタイムでストーリーが進んでいく。立ちはだかる難題を、多くの知識や経験、そして様々な工夫で乗り越えていくのだ。

リアルタイムと言えば、世界中で大ヒットしたリアルタイム・テロ対策ドラマ「24 -Twenty Four-」である。24ファンであれば、この小説も確実に楽しめると思う。シーズン3、チャンドラー・プラザ・ホテル、鼻血を出しながら次々と倒れていく人の姿を思い出させる。24では事件は24時間ちょうどで解決するが、首都感染では数ヶ月の長期戦となる。

さて、この記事を書いているのは2020年5月、新型コロナウイルスが世界中を震撼させ続け、たくさんの死者を出している。この小説を読めば、状況があまりにも今回のコロナ騒動に似ているものだから、驚かずにはいられない。小説の中でも、ウイルスは中国から世界に広まり、医療は崩壊し、莫大な死者を出しているからだ。違うのは、インフルエンザウイルスである点と、致死率が60%という点くらいだ。ちなみに、この小説は10年ほど前に出版されたものだ。著者は予言者なのかとネット上では騒がれている。

致死率60%というのは物語においては絶妙な設定なのかもしれないが、決してふざけた数値ではなく、実際にH5N1型鳥インフルエンザはトリに感染すると60%が死亡するのだという。もし、この小説のように、H5N1型がトリだけでなくヒトに感染するように変異してしまったら、今回のコロナウイルスなんて比べものにならないくらいの被害が出るのかもしれない。

ちなみに、著者は高嶋哲夫という人で、てっきり医者とか感染症の研究者かと思っていたのだが、ウィキペディアによると小説家となっている。とにかくおもしろい小説なので、ぜひ読んでみて欲しい。ステイ・ホームということで読書が欠かせないし、もちろんKindle版も出ているので書店に出かける必要もない。Kindleを持っていない人は、せっかくだから購入しましょう。

買い物しようよ!

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