私は思わず足を止めた。
そこは、東武伊勢崎線谷塚駅。前の記事でも書いたとおり、浅井家でのパーティーのため、はるばる橋本からやってきた。改札を出ると、すぐにこの光景が目に入った。「駐輪禁止」のコーンとロープである。
これを設置することで確かに自転車は減るのかもしれないが、これでは人の歩行を妨げているばかりである。数分観察していたが、ロープをまたいでまでショートカットをして通る人は全くいなかった。市民の誰もがこの「残念な駐輪禁止」のせいで大回りを強いられているのだ。
最近、様々な街でこのような残念な光景がしばしば見られるようになった。特に駅前の広い歩道なんかでこれをやられると、歩道が狭くなって本当にもったいない。まだチャリが放置されてる方が歩けるかもしれない。なぜこんな短絡的な手法に頼らざるを得なかったのか。はなはだ疑問である。某東武鉄道の関係者が、もしこの記事を読んでいたら、なんとかして欲しいものだ。
そもそも、街に十分な駐輪場がないことが多い。橋本駅なんかは地上と地下に十分な量の駐輪場があるので違反駐輪は少ないが、それはあくまでいい例にすぎない。十分な数の、そして利便性の高い駐輪場を設ければ、このような煩雑な対処をする必要はなくなるだろう。
ここから話は脱線します。
突き詰めて考えれば、街はもっと自転車にやさしくなければならない。関東平野は自転車で移動するのにとても適したところだが、街や道路は意外と煩雑で、自転車にとっては決して走りやすいものではない。私は、橋本から大学まで町田街道を通って片道5kmをチャリ通している。しかし、自転車道や広い歩道が整備されているわけでもなく、しかも車道自体も狭いので、バスやトラックが後ろに迫ってきたときは非常に困る。歩道は一応自転車通行可なのだが本当に狭く、マナーの悪い右側通行のチャリや、歩行者がいたときは車道へ逃げなければならない。本当に走りにくいので、最近では住宅街をゆっくり走って通っている。
近年の自転車ブームもあってか、街にはスポーティーなチャリが多く見かけられるようになった。友人のヨシムネ氏もそんな1人で、洒落乙なクロスバイクを飛ばしている。そんな私たちは安全対策を怠らない。十分な明るさのライトはもちろんのこと、後ろには赤色LEDの点滅するやつもつけている。そして、交差点での安全確認、左側通行の遵守、原則車道を走る。当たり前のことかもしれないが、街を見ているとマナーの悪いチャリンカーが意外と多い。
私たちチャリンカーは、国や自治体に「自転車にやさしい街」を求める権利がある。だが、それはチャリンカーみんながルールやマナーを守ってこそ初めて言えることではないだろうか。
あとは、余談です。
谷塚の駅まで行くのは複雑かと思っていたのだが、鉄道各社が乗り入れしまくっているおかげで、なんだか楽に行けた。まず、橋本から京王線で多摩センターまで行った。そこから小田急多摩急行我孫子行きに乗った。我孫子ってどこだろうと思い車内の路線図を見てみると、小田急線は千代田線に乗り入れ、更にその先JR常磐線に乗り入れているらしい。その電車は新宿は通らずに代々木上原から千代田線に入った。そして、日比谷で日比谷線の東武動物公園行きに乗り換えた。というわけで、2回の乗り換えで谷塚へ行くことができた。なんと洒落乙な!
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