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無生物主語の魅力

The phone rang.
あなたは何と訳しますか?

  1. ケータイが鳴った。
  2. ケータイは鳴った。

日本語に含まれる「助詞」というものは、私たちの理解を難しくすると同時に、私たちの表現を豊かにしている。そんなことは、誰も小学生から知っているのだが、上のような難問にぶつかったとき、私たちは悩まずにはいられない。無生物主語に限らず、助詞「が」と「は」の使い分けはいつも煩わしいものだ。

それはさておき、今日の本題。

無生物な主語としてオシャレなものって何があるかなと、私はいつも考えてしまう。前回の記事で書いた一節として気に入ったのが「その予定は即決され、」の部分だ。本来、予定を決めているのは私や相手であり、予定自らがそれを決めてはいない。だけど、このシチュエーションの場合、登場人物は私と彼の2人なので、予定を決めたのも2人。この時、2人が主語になるより、1つのモノが主語になったほうが説得力がある。そしてシンプルさが感じられる。

予定はそのように決まらざるを得なかった。予定の運命としてはそれしかなかった。そんなニュアンスを出すことができるのも、「予定」が主語になってこそなのだ。つまり、簡単に言うと、一種の強調として使うことができるだろう。英語では当たり前のように使われている無生物主語だが(「雨が私たちが出かけるのを妨げた」みたいな)、日本語ではあまりない。だからこそ活用次第でかなり有効なのだ。

そうすると、ポイントは使いすぎないことだと思う。今週の研究課題にしたくなってしまった。無生物主語について扱っている論文を探してみよう。

買い物しようよ!

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コメント

  1. IPPEI より:

    そして、いつも思う。気持ちを伝えるってすごく難しい。微妙なニュアンスを使いこなせるようになりたいね。
    しかし、日本語ゼミとはうらやましいよ!
    コメントありがとう!

  2. まりこ より:

    日本語って奥深いです。うん。日本語学ゼミで勉強してるけど、あんな複雑な日本語を使いこなすわたしたちってすごいよね!
    無生物主語、今度ゼミで取り上げてみようかな(^^)