IFTTTというウェブサービスが結構便利だよ、という記事を書いたのも半年くらい前だろうか。使い方の一例として紹介したのが、Twitterでお気に入りに追加したらEvernoteにノートとして保存するというものだった。他にも、ハッシュタグ#tankaを付けてつぶやいたら自動的にFacebookにも投稿するという使い方もしていた。
ところが、Twitter APIのガイドライン変更とかいう理由で、Twitterをトリガーにした他のサービスへの連携ができなくなってしまった。9月27日のことだそうだ。28日くらいからEvernoteにTwitterの新しいお気に入りが追加されていないことに異変を感じ、ググったらそのことを知ったというわけだ。
Evernoteに保存しておくと、時系列に沿って自分が追加したお気に入りを振り返ることができたり、また全文検索も容易なので、非常に便利なのだ。というのも、外出中にスマフォイフォイでTwitterを見ているとき、読みたい記事のリンクが流れてくるのだが、フォイフォイが重いのでブラウザまで立ち上げるのが億劫だ、というときが多々ある。そんなときはお気に入りに追加しておくだけで、後にEvernoteからリンクを開くことができるというわけだ。
IFTTTのTwitterトリガーを代替できるサービスとしては、今のところtwieveが有力だろう。というわけで、これに切り替えて2週間ほどが経ったわけだが、(用途によるかもしれないが)こっちのほうが断然いいということに気がついた。というのも、前者はツイート毎にノートが作成されるのに対して、後者は1日分を1ノートにまとめてくれるからだ。自分のツイート、お気に入り、リツイートに分類して保存される。しかもプロフィール画像も付いていて、とても見やすい。最初からtwieveにしておけばよかったと、今さら思っている。有料版だと自分宛てのメンションも保存されるみたいだが、とりあえず無料版でイナフだと思う。まあ、Twitterに金をかける意味もわからないし。
例によって本当に言いたいことは後半に書くというスタイルは、今日もかわらない。Twitterをアーカイブして活用しようぜ、という記事を書いてきたわけだが、半年くらいアーカイブしてきて気づいたことは、それらは大して意味のないことだし、むしろあまりいいことではないのではのかもしれないということだ。
確かに、便利だということは変えられない。Twitterが数週間しか検索できないことを考えると、お気に入りに追加しておくだけで、勝手に自分のEvernoteに保存されて、そしてあらゆる端末から閲覧、検索することができるわけだ。
だけど僕の場合は逆に、いつでもEvernoteを開けば見れるからという理由で、例えばリンク先の記事をその場で読まないようになった。その場で読まないどころか、後からEvernoteに保存されたお気に入りを見返すことも、あまりないのである。言ってしまえば、お気に入りに追加したことさえ覚えていないのだ。確かに、ものすごい速さで流れてくるタイムラインの中から、気に入ったものを厳選して支流に引き込むことでその流れは細くなるけど、それでも「流れている」というTwitterの本質的な部分は決して変わらない。それを強引に溜め池にアーカイブしようとしたところで、結局はそのキャパシティを超えてしまう。そもそも、Twitterのお気に入り機能というのは、自分の気に入ったツイートに印をしておくためというよりは、相手に「このツイートいいね!」と伝えるための機能ともいえるだろうし、そう考えるとアーカイブしようなんてことから間違っているのかもしれない。
友人がとても感心できることをツイートしたとき、お気に入りに追加してそのままになってしまいがちなことを、はたしてどうしたらいいのだろうか。僕がいつも思うのは、強引にでもアウトプットに持っていくことの大切さだ。いくらいいツイートを眺めていても、それをEvernoteに保存しようとも、結局のところ自分のものになるということは決してなく、そんな錯覚をするだけだ。僕たちはインプットによってというよりも、アウトプットによって初めて何かを得られるものだ。記憶が覚えるときではなく思い出されるときに記憶になる、ということによく似ている。アウトプットというのはとても簡単なことで、例えば、引用リツイートして自分の考えを添えるとか、ブログにそれについての考えを書くとか、友だちとの会話の中でどや顔で引用するとか、そんなことである。咀嚼して、自分の言葉でリライトして初めて、それは自分自身のものになる。確かなことは、入ってくる情報があまりにも多すぎて、僕たちの溜め池のキャパシティを平気で超えてしまうということだ。だから僕は、意識的にしょうもないツイートを連投したり、ブログを書いたりすることで、溜め池の水位を調整しているのだと思う。
本当に大切なことは、自分の心にアーカイブしたい。
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