Windows 8がリリースされて2ヶ月と少しが経ちました。僕のまわりでもだんだんとWindows 8搭載PCを使い始め、僕に質問を投げてくる人が増えてきました。もちろん僕は発売日にダウンロード購入したので、もうすっかり慣れました。

発売直後というかベータ版が出始めた頃から、ネット上では「Win8はクソだ」みたいなことがさんざん言われていましたが、実際のところどうなのでしょうか。今日は僕がズバッと斬りたいと思います。笑

201301_windows8

それで、今日に限っては結論から言ってしまうのですが、かなりいいです。OSとしての速度が7と比べて格段に向上していることを、少しばかり古いマシンを使っていれば、きっと体感することができます。エクスプローラで画像がたくさん入ったフォルダを開いたときとか、そういった細かいところが結構チューンアップされているようです。マイクロソフトはそういう大事なことを主張せず、Metro UIみたいなこと始めちゃうから、正しく評価されてないのかなという感じは否めません。

主な変更点として、シャットダウンと起動が高速化されたことがあげられます。詳しいことは省略しますが、シャットダウン時に環境の一部をキャッシュしておき、次に起動したときにそれを読み込むことで、従来までのやたらと時間を要する起動プロセスを簡略化しています。起動はもちろんなのですが、僕の環境ではどちらかというとシャットダウンが速くなったように感じます。7の頃は、終了してから1分以上経たないと電源が落ちないなんてこともありましたが、それを思うとまるでスリープしているくらいの速さです。ちなみに、キャッシュを破棄して起動するには、シャットダウンではなくて再起動するか、コマンドラインから"shutdown -s -f"で終了すればOKです。

そして、さっきも言ったように、様々なところで地味に改善しているように思います。7までのフォトビューアはクソ重くて使えたもんじゃなかったですが、8ではかなり軽くなって、他のビューアを入れる必要がなくなりました。あと、フリーズなども圧倒的に少なくなったような気がします。アプリケーションが固まることはあっても、OSが止まるということはほぼありません。ただし、旧バージョンからアップグレードした場合にはフリーズ連発なんてこともあるようなので、注意が必要です。(後述します)

あと、これも重要なんですけど、ファイル履歴機能が付きました。これはもう率直にMacでいうところのTimeMachine的な機能で、外付けドライブやネットワークボリュームに容量の許す限りファイルの変更履歴を残してくれるというものです。フォルダやバックアップ間隔などはユーザーが指定でき、NTFSの変更ジャーナルを用いることで高速な動作を実現しているのだとか。また、バッテリ駆動中や、バックアップ先のドライブが接続されてないときなどの挙動もちゃんと設計されており、7までの単なるバックアップより断然使いやすい機能になりました。などとつらつら書いておきながら、この機能まで試しておりません。笑

それから最後に、これをあげずには語れないのですが、Metro UIになったてスタートメニューがなくなったことが最大の変更点です。これはハッキリ言って使えません。タッチパネルありきのインターフェイスです。マウスで使うには不便すぎます。タブレット端末とPC端末のOSを同じものにしようという発想から、どう考えても間違っています。AppleだってOS XとiOSというように端末別にOSを用意しているじゃないですか。

Metro UIを消して、スタートメニューを復活

それで、Metro UIを出てこないようにして、スタートメニューを追加するサードパーティ製のソフトウェアがあります。Classic Shellというやつです。これが結構優秀で、サクサクでありながら、結構カスタマイズが効きます。これを入れずしてWin8は使えません。

Classic Shell 日本語
http://www.dnki.co.jp/content/view/145/1/

インストールするときに、Classic ShellとUpdateだけチェックを入れて、Classic ExplorerとClassic IEはチェックを外しましょう。そうしないと、エクスプローラまでクラシックになってしまいます。ちなみに、Win8のエクスプローラはなかなか使いやすいです。

アップグレードには注意が必要

ただ、メーカーPCに8をアップグレードでインストールすると、ありえないくらい不安定になりました。僕は4年くらい前のVAIO Sを使っているのですが、発売日に購入してしまったので、ひとまず7の環境からアップグレードしてみました。そしたら謎のフリーズが頻発するようになりました。タスクマネージャーも出せないようなフリーズで、キーも反応しないし、かろうじてマウスのポインタだけが動いている状態になることが、一日に何度もある日もありました。おそらく何らかのドライバかサービスがいたずらしているのだろうと思って様子を見ていたのですが、あまりに耐えがたいので、1年分くらいの勇気と多くのずくを出して、クリーンインストールすることにしました。

メーカーPCにクリーンインストールというのは、それなりのテクニックと、多くの勇気が必要です、という時代も一昔前のことなのかもしれません。それくらいにWin8は簡単にクリーンインストールできたのです。

気をつけなければならないことをあげておきます。

  • 当たり前だけど、ファイルのバックアップ。僕はFontsフォルダをバックアップし忘れて、泣きました。
  • Driversフォルダをバックアップ。だいたいのデバイスはOS標準のドライバで動きますが、オーディオやタッチパッド、モデムなどはドライバが必要になります。ネットで探すのは大変面倒なので、Driversフォルダをバックアップしておくと楽ちんです。
  • メーカーPC独自のアプリケーションなどをあらかじめ用意しておく。これも結構面倒でした。パーティションをいじったせいかリカバリ領域が認識しなくなって、アプリケーションの再インストールとかをするツールが呼び出せなくなりました。それで結局、欧米のVAIOのサイトに各種インストーラーがあったので、そこから落としてきて入れました。特に、「VAIOの設定」とかがないとバッテリー充電量の設定ができないし、VAIO Event Serviceというのを入れないとFnキーでの音量調節とかができません。まあ本題はVAIOの話じゃないので詳しいことは書きませんが、質問いただければ可能な範囲でお答えします。
  • Adobe製品の「ライセンス認証の解除」もしておいたほうがよさそうです。

このくらいやっておけば、なんとかなります。というか、Cドライブごとバックアップ取っておけばいいって話です。僕みたいにUsers以下だけしか取ってないと、Fontsフォルダを失います。あと、クリーンインストールやPCの買い替えのときは、スタートメニューのスクリーンショットを撮るようにしています。何のソフトが入っていたか忘れてしまうものです。まあ、忘れるようなものはいらないソフトなのかもしれませんが。

というわけで、アップグレードよりもクリーンインストールがオススメです。ちなみに、ダウンロード購入できるものはアップグレード版なんですが、クリーンインストールするときにパーティションを削除したりしてからやると、ライセンス認証が通らなくなってしまうことがあります。システムのプロパティで「プロダクトIDが有効でない」みたいな表示がでます。そのときは焦らず、もう一度インストールメディアから起動して、Cドライブを指定して上書きしてクリーンインストールします。そうするとアップグレード扱いになるようで、ライセンス認証が通るようになります。(これって、本当に新規の環境でも通るんじゃね?笑)

そんな感じで、発売日からだいぶ過ぎてしまってもはや今さら感が半端ないですが、今日はWindows 8の簡単なレビューと、スタートメニューを復活させる方法、そしてアップグレードに要注意という話でした。Win8に関する質問などあればお気軽にどうぞ。ではまた。