どうも、こんばんは。ガジェット系ブロガーのIPPEIです。今日は光回線の事業者変更をした話です。いつものようにかなり長い記事なので、見出しを見ながら適当に読み飛ばしてください。笑
自宅アパートで契約していた光コラボの@nifty光がちょうど3年契約の契約更新期間になったので、事業者変更でenひかりに乗り換えることにした。
enひかりは知る人ぞ知るプロバイダーだ。代理店などでは集客をしていないようで、基本的には公式サイトでしか申し込みができない。大手プロバイダーにありがちな煩雑な手続きを伴うキャッシュバック特典などは一切ない代わりに、月額料金は業界最安でありながら、契約期間の縛りもない。つまり、微妙だったらまた乗り換えればいいだけのことだ。
さて、事業者変更承認番号を取得するまでの話がひたすら長いので、必要ない方はマウスホイールを下方向へ数回転していただきたい。
@niftyで事業者変更承認番号を取得するまでの長い道のり
NTTの光回線の契約の方法として、光回線とプロバイダーをそれぞれ別に契約する従来の方法と、プロバイダーが光回線もセットで販売している「光コラボ」を契約する方法がある。一般的には後者の方が安いので、光コラボをやっていないプロバイダーを選びたいなどの特別が事情がある場合を除いて、わざわざ別契約にする必要はあまりない。
光コラボを契約している状態で、別のプロバイダーに乗り換えるためには、乗り換え元のプロバイダー(事業者)から「事業者変更承認番号」を取得する必要がある。携帯回線でいうところのMNP予約番号といったところだ。
事業者によってまちまちだろうけど、事業者変更承認番号を取得するために結構面倒な手続きを踏ませてくる。だって乗り換えて欲しくないからね。
フリーダイヤルはなく、何日もつながらない電話窓口
@niftyの場合は、ウェブサイト上での手続きは一切できず、平日の17時までしかつながらない03で始まる電話番号に問い合わせなければならない。もちろん、その電話はとにかくつながらない。5分通話定額の中で済めばいいなと思ってかけるのだけど、絶対に無理だ。しかも、電話をかけるとまず自動音声が流れるのはよくあることだが、最悪なことに、それがなんと2分も続くのである! それでいてつながらないのだから、さすがの温厚な僕も憤慨である。
そんなこんなで、つながらない日々を3日ほど費やしてようやくつながったのだが、オペレーターとのやりとりもまた煩雑だった。同じような話を何度も繰り返され、こちらは「はい、分かりました」を言うだけの10分間である。おそらく、言った言わないにならないようにマニュアルに従って漏れなく説明をしなければならない決まりになっているだろうし、通話は録音しているだろうし、現場のオペレーターには同情さえ感じてしまう。
ていうか、ウェブ上の手続きでも完結できるだろうし、電話が必要だとしても「重要事項と承認番号を数日以内にEメールで送ります。承認番号を移転先に伝えた時点で重要事項に同意したものとします」だけで済む話を、10~15分も使って説明してくれるものだから、正直なかなか疲れてしまった。
まあ、なんとか耐えて、翌日には承認番号がメールで送られてたので結果オーライなのだが、実は一つだけ特筆すべきことがある。
毎月1,000円値引きの提案に心が揺らいだ
ちょうど7月の初めころだったと思うが、@niftyの契約更新期間に入ったタイミングで一度電話をしたのだ。「事業者変更承認番号を取得したいんですけど…」と話を切り出したところ、オペレーターは早々にこんな提案をしてきたのだ。「乗り換えずに継続していただければ、来月から12ヶ月、毎月の利用料を1,000円お値引きします!」
乗り換えにともなう両社の手数料など考えると、ぶっちゃけそれほどメリットがないという中で、毎月1,000円引きは激アツな提案だった。ただ、そうするとまた3年縛りの契約が始まってしまう。どうしたものか…。
そんなこんなで1ヶ月ほど悩んでしまったのだが、重い腰を上げて、やっぱり乗り換えることにしたというわけだ。enひかりは契約期間の縛りがないし、ちょっとマイナーなプロバイダーを使ってみたかったというのもあった。
さて、もうどうでもいいことなんだけど、ふと@niftyのサポートページを見てみると、事業者変更承認番号のウェブ申請ができるようになっているではないか。なんてこったパンナコッタ。まあ、ウェブ申請しても電話で説明聞かされるんだろうけど。なんだか悔しいな…。
enひかりで事業者変更での申し込みをする
さて、長すぎた余談はここまでだ。事業者変更承認番号をゲットしたので、早速enひかりの公式サイトから申し込みをしていく。
enひかりの公式サイトはビックリするくらいシンプルである。本当にビックリするから一度見てみてほしい。ちなみに、一応断っておくけど、この記事はアフィリでもなんでもない。
申し込みフォーム以外は、ほとんど単一のページで構成されている。オプションの説明などでたまにサブページがあるが、多くの閲覧者はトップページしか見ないのではないだろうか。
申し込みフォームはform-mailer.jpというサードパーティーのメールフォームサービスを使っているようだ。有料プランでも月に数千円程度だろう。ちなみに、登録情報を変更するための「マイページ」みたいなコーナーは、もちろん存在しない! 何かあればカスタマーサポートに直接電話かEメールで問い合わせればいいのだろう。
ここまで潔いと逆に関心である。限りなくコストを抑えていることが素人にもよく分かる。
ニフティなどの大手事業者は、立派なウェブサイトを持ち、カカクコムなどのさまざまな申し込みチャネルを展開し、煩雑なキャッシュバックキャンペーンを設定することで、膨大な集客コストをかけてユーザーを集めているわけだ。言いかえれば、ユーザーはそのぶん少しばかり高い月額料金を支払わされているというわけだ。そんな中で、少し賢いユーザーだけが定期的に乗り換えながら安く運用しているのだろうけど。
enひかりは、光コラボの中では最安の料金というだけのセールスポイントのみで、地味にユーザーを集めているのではないかと思う。結局、安いは正義だ。
余談が長くなってしまった。申し込みフォームに必要事項を入力して送信するのには、5分もかからなかった。IPv4 over IPv6のオプションとして、v6プラス、transix、クロスパスから好きなものを選ぶことができる。いずれも月額198円だ。IPv4 over IPv6の方式が選べるってなかなか面白いよね。マンションタイプの利用料3,520円とあわせても、月額3,718円なので、なかなか安い。僕はもちろんv6プラスを選んだ。
ちなみに、あとから分かったことだが、v6プラスなどのIPoEのオプションを選ぶと、PPPoEのアカウントが発行されない仕様のようだ。多くのプロバイダーでできるような、v6プラスとPPPoEの併用はできない。なるほど、申し込み後にかかってきた確認の電話の中で「お持ちのルーターはv6プラスに対応していますか?」と念入りに聞かれたのはそういうことだったのか。僕の勝手な推測にすぎないが、サポートに電話してお願いすれば、数百円でPPPoE接続も提供してくれるのではないかと思う。
また、その他のオプションとしては、固定IPが月額770円、ひかり電話はNTTに準じた金額で設定可能である。
enひかりのサポート品質は噂どおりの神レベル
申し込み完了後、すぐにメールが届いた。混み合っているため2~3日程度で連絡が来る旨が書かれていたが、お急ぎの場合は電話くださいとも書かれていた。急ぎというわけでもなかったのだが、申し込みから2日後にサポートに電話してみた。申し込んだのが8月18日で、@niftyの契約更新期間が8月31日が近づいていたこともあり、解除料が発生してしまうのは嬉しくなかったからだ。
電話をかけたのは土日のどちらかで夕方の時間帯だったのだが、ほんの数回のコールでつながった。事業者変更で申し込みをした旨と名前を伝えると、「一度電話を切ってすぐに折り返します」とおっしゃるではないか! フリーダイヤルこそ提供されていないが、素晴らしいサポート品質である。顧客に通話料をかけさせないよう折り返してくれるサポートセンターが、最近はかなり増えてきた気がする。とにかく、客からの電話で20分もダラダラと話をする某@niftyとは雲泥の差である。
オペレーターの説明も非常に分かりやすかった。最短の切り替え日を伝えてくれて、月額料金の日割り計算ができないことや、初回の費用がどのくらいかかるかなどを端的に説明してくれた。支払いに関しては、書面が届いたらQRコードを開いてクレジットカードを登録するようにとのことだった。
v6プラスのオプションを利用するにあたり、ルーターがv6プラスに対応しているか、設定方法は分かるか、などを確認された。先にも書いたように、これはv6プラスのオプションを付けるとPPPoEが提供されないための確認だと思うが、PPPoEは使えませんよって言ってくれればより分かりやすかったと思う。
少しばかりウザい客と思われたかもしれないが「かなり詳しいのでその辺は大丈夫です」と伝えたところ、その後の説明もよりシンプルになったような気がする。いや、気のせいかもしれない。
電話は10分程度で終わり、切り替え日は8月31日に決まった。勝手に切り替わるので特に操作は必要ないとのこと。
支払いサイトは@ビリングだった
開通のご案内的な書面が届いたのだが、これもまた非常にシンプルなものだった。enひかりのユーザー名やパスワードはもちろん存在しない。書面に書かれているのは、NTTの光回線を契約したときに届く「開通のご案内」とほぼ同じフォーマットで、お客様IDとアクセスキーが載っているだけだ。
別紙のQRコードからNTTの@ビリングのサイトへ誘導されるので、お客様IDとアクセスキーでログインしたのち、クレジットカードを登録すれば手続きは完了である。
なぜか分からないのだが、povo・UQモバイル・ahamoを使っていると「勝手に割り」というオプションで月額110円引きになる。ただし「勝手に」適用されるわけではなく、enひかりカスタマーセンターに、お客様IDとpovoなどの契約名義が分かるスクリーンショットなどを添付送信する必要がある。僕もpovoユーザーなので、請求書のPDFをそのまま送ってみたところ、すぐに申請が受理された。
v6プラスのIPv4アドレスも、IPoEのIPv6アドレスも変わらなかった
さて、いよいよ切り替え日になった。ネットワークマニアとしては、料金うんぬんよりも、切り替えがどんなタイミングで行われるのか、IPアドレスが変わるのか、といったことが気になるものだ。
結論から言うと、IPv6アドレスも、v6プラスで割り当てられるIPv4アドレスも、全く変更されなかった。したがって、具体的に切り替わったタイミングは分からなかった。
そもそもよく考えてみると、どこの事業者と契約していようが、v6プラスはJPNE(日本ネットワークイネイブラー)が提供しているわけで、事業者はインターネットの契約を取りまとめているにすぎない。PPPoEも提供されないとなると、もはやISPという概念は存在しない。
また、事業者を切り替えてもIPアドレスが変わらないあたりを見ると、僕の勝手な推測だが、ONUが持っているMACアドレスかなんかで認証して、IPアドレスを割り振っているのかもしれない。
要するに、v6プラスやtransixなどを使っているユーザーにとって、プロバイダーの乗り換え(光コラボの事業者変更)は、ただ単に契約先を変えるだけのことであり、環境の変化は皆無といっていいだろう。v6プラス派なら、v6プラスを提供している事業者の中で、単純にランニングコストが一番安いところを選べばOKということだ。
通信速度も特に変化はなさそうだ
回線の速度も何度か測ってみたが、特に変化は見られなかった。強いて言うなら、IPv6の上りが@nifty光のときより速くなった気がしないでもない。
以前は、IPv6下りが500Mbps以上出ているときでも、上りが100Mbosくらいになってしまうことがしばしばあったのだ。enひかりに切り替えてからは、今のところ、IPv4・IPv6の上下ともにバリバリ速い状態となっている。
ただ、それが毎回だったわけでもなかったし、おそらく気のせいなのだろう。先にも書いたように、事業者を変えたところで、IPoEやIPv4 over IPv6速度は理論上は変わらないはずだからね。
いずれにしても、相変わらず快適な通信速度が得られている。光回線はもちろんだが、モバイル回線も一昔前では考えられないくらい速くなって、本当にありがたい時代だと思う。
enひかりは本当にオススメの光コラボ事業者
というわけで、長くなりすぎてしまったが、enひかりに乗り換えてみて本当に正解だった。事業者変更の手数料が数千円かかってしまったが、それでも長い目で見れば、相当安く光回線を持つことができるだろう。
心配だったサポートも、ビックリするくらい高品質だ。電話はすぐつながるし、すぐ折り返してくれる。メールの返信も遅くない。今後ユーザーが増えてくるとどうなるか分からないが、ぜひこの高品質なサポートを続けてほしいものだ。
当たり前のことを最後にひとつ書き足しておくと、enひかりはプロバイダーのメールサービスは存在しない。プロバイダーのメールアドレスをどうしても使いたい古典派には、enひかりはオススメできないのである。笑
高品質な回線には、高品質なルーターを。
コメント
Ippei様
synology RT6600acを使っているものです。
今光コラボの事業者変更を考えていて、enひかりを調べていたところ、
synology と enひかり の検索でこちらがヒットしました。
ご使用の環境は、自分が検討していた環境にほぼ一致(自分はaxではなくac)しているかと推察します。
乗り換えの参考にさせていただきます。
synologyがenひかりに対応しているか、なかなか検索できませんでした。
ありがとうございました。
今後も参考にさせていただきますので種々の情報をぜひUPしていていただければと思います。
以上
to様
コメントありがとうございます。ブログ記事がお役に立てて何よりです。
現在v6プラスを利用中でしたら、enひかりに事業者変更の申し込みをする際にv6プラスのオプションを付けるだけでOKです。Synologyルーターの設定変更は一切不要です。
今後ともよろしくお願い致します。