どうも、こんにちは。もしくは、こんばんは。IPPEIです。

つい先日、Twitterあたりで流れてきて気になった書籍。Kindle版を購入してすぐに読んだ。結論から言うと、非常によかった。せっかくなので忘れないうちに紹介しておこうと思う。

大塚篤司さんという皮膚科医による「世界最高のエビデンスでやさしく伝える 最新医学で一番正しい アトピーの治し方」という本で、出版は2020年だ。もう2年前の書籍だし、最新情報というわけでもなさそうだが、決して古いものではないと感じた。

簡単に紹介するなら、胡散臭いアトピービジネスを科学的に批判して、現代の標準治療について丁寧に解説している一冊だ。0歳からアトピーを抱えている僕からズバリ言わせてもらうと、かなりの良書である。

アトピーに関するもので、このようなまともな書籍がなんで今までなかったのだろう。書店の棚に並んでいるのは、「脱ステロイドで○○」とか「○○を食べればアトピーは治る」みたいなクソみたいな本ばかりだった。出版業界にも責任はあると思う。タイトルはキャッチーであるほど売れるし、売れる本ほど書店で歓迎される、という様々な大人の諸事情が、読者から本質を奪い去ってきた。そんな時代に、大塚さんはあまりにも「普通の」アトピーについての本を書いてくれた。そして今、Amazonでアトピーと検索すれば、この本がおおむねトップに出てくることと、レビューの多さと星の数が、この本がいかに素晴らしいかを物語っている。

少しだけ個人的な話をしよう。ありがたいことに、僕が0歳のときから長年お世話になっている皮膚科医もきわめてまともな方だ。標準的なステロイド治療を基本とした、ごく普通の治療を根気よく指導してくれた。どれだけひどい状態のときも、症状や部位にあわせた強さのステロイドを、最初の数日はしっかり塗って治し、よくなったら感覚をあけて減らしていく。顔は基本的にはプロトピック。そして、状態がよいときでも清潔を保ち、保湿を欠かさないことだと、よく言われたものだ。

今ではすっかりよくなって、顔はプロトピック、体はマイザーをごくたまに塗るだけで過ごせている。ただし、保湿はかなり意識して行っている。定番のニベアプレミアムを一日に何度も塗るのだ。保湿をサボったらすぐにかゆくなるし、かゆくなったら掻いてしまうのでより悪化する、という悪循環に陥ってしまうのだ。特に冬場はニベアの消費量が半端ないけど、薬をたくさん使うよりはずっとマシだろう。

飲み薬の抗アレルギー剤も1日1錠で処方されているが、花粉の時期だけたまに飲む程度だ。目のかゆみとか鼻水にも効くからね。最大で90日分の薬が処方されるため、若い頃は3ヶ月おきに通院していたが、今では年に1回行くか行かないくらいだ。自分で言うのもなんだけど、驚くべきほどの改善ぶりである。

まともな医師と出会えたことと、胡散臭いアトピービジネスに傾倒してしまうようなふざけた親でなかったことは、当たり前のようで実はありがたいことなんだと改めて実感させられた。

もし、今の治療方法に悩んでいたり、行き詰まっている人がいたら、とりあえず大塚さんの本を読んでみてほしい。本当に読者のためを思って書き下ろされた本だということは、すぐに気がつくはずだ。