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デュアルSIMにして通信環境を冗長化しよう

いやいや、しかし長かった。みなさんもご存知のとおり、7月2日の未明から3日間ほどKDDIの大規模な通信障害があった。データ、音声、SMSがすべて使えなくなり、復旧までに62時間を要した。ちょっと前のドコモのヤツよりも大規模かつ長時間で、多くのユーザーが不便を強いられることになった。

なお、7月4日の夕方あたりでほぼ回復したようで、電話も普通につながるようになった。

土日だったことは不幸中の幸いというべきか、ネット上では「不幸中のWi-Fi」なんていう新語がバズっていたのを見た人も少なくないだろう。個人のユーザーはもちろんだが、ヤマト運輸のドライバーが持っている端末とか、その辺のATMとか、気象庁のアメダスなどなど、法人契約の端末やIoT端末がいろいろダメになったみたいで、通信インフラって意外とワイヤレス化されてるんだなと実感させられた。

Twitterなんかを見ていると「中の人たち本当にお疲れ様です。いつも当たり前に利用できていることに感謝」という温かい意見が意外と多くて救われる。その一方で、携帯がつながらないくらいで激怒してauショップに怒鳴り込んでしまう愚かな人も少なくないらしい。なんだかなぁと思う。利用料金を払っているんだから障害が起こるなんてけしからん、という正論のような意見には僕は賛成できない。現場で復旧作業にあたっている方がどれほど大変かは、誰だって少し考えれば想像できるはずだ。

ショップ店員さんにいろいろ言ったところで復旧作業が早まるわけではない。携帯が使えないとそんなに困るんだったら自分でリスク管理くらいしなさいよと、ガジェット系ブロガーは声をグランデにする。だって、これだけ回線数や回線容量が増えている時代に、トラブルは少なからず起きるものとして考える方がよっぽど賢い。いや、むしろ、KDDIは今まで本当に安定した回線を供給してきたのではないだろうか。。

しかしながら、携帯が使えないと困るんだよ!という意見も分からないわけではない。20年前では想像もつかなかったことだが、あまりにも携帯回線が重要な時代になった。電波がなければ、地図も見れないし、決済もできない。もちろん、都市部での友達との待ち合わせは至難だろう。だからこそ、自己責任でリスク管理をしなければならない。

余談だけど、スマホネイティブ世代は、公衆電話の使い方が分からないのだとか。言われてみれば、携帯電話を手にしてから一度も公衆電話使ってない。たしか、受話器を上げてから硬貨を入れるんだよね。

デュアルSIMでリスクを分散しよう

さて、そろそろ本題に入ろう。最近販売されているスマホのほとんどがデュアルSIM対応になっているのだから、万が一のために2回線持っておくと安心である。格安SIMでもいいのだが、ドコモ回線とKDDI回線というように、別のキャリア系列の回線でないと意味がない。

僕が使っているiPhoneは、povoとIIJmioのデュアルSIM構成だ。povoは5分通話定額のみの契約で月額550円、データは使わない。IIJmioはeSIM専用のデータプラン4GB(ドコモ回線)で月額660円だ。つまり、音声発着信はpovo、データはIIJmioという使い分けをして、月額1,210円で運用しているというわけだ。

いかにリーズナブルにモバイル回線を運用するかを考えていたら、この構成にたどりついたわけだが、結果としてそれがリスクの分散になっていたというわけだ。今回のケースでも、povoでの通話こそできなくなったが、外出先でもFaceTimeやLINE通話ができたし、そもそも職場もWi-Fi完備だし、全然困らなかった。一方で、povoのみを使っている妻は、職場もWi-Fiがないらしく、それなりに困っていた。

これは余談だが、僕は上記の2回線に加えて、SMARTalkというIP電話(050番号)も契約している。楽天がやっているサービスで、基本料は無料、電話料金は8.8円/30秒である。専用のアプリでもいいし、汎用のIP電話アプリでも利用可能だ。今回は使う場面はなかったが、いざとなれば050番号での発着信もできる。

これはあくまでも僕の事例にすぎないのだが、月額たったの1,210円で、1台のスマホを使って、別系列のキャリアの2回線を持つことができるわけだ。冗長性を確保できて、そのうえ経済的である。ちょっとの工夫と少ないコストで、個人ユーザーとしては十分なリスク回避ができるというわけだ。そういうことをしないでおいて、単純に大手キャリアのそこそこ高額なプランを契約して、おまけに自宅には光回線を引いてない、みたいな層がauショップに怒鳴り込んでいるのではないだろうか(偏見はよくない)

やっぱり自宅は光回線を引いた方がいい

そして、リスク回避という視点で考えると、自宅にはやっぱり光回線を引いておくべきだ。

少し前に「もう光回線なんか引かずにテザリングでよくない? いや、よくない!」という記事を書いたのだが、まさにそういうことだった。

最近では、5Gのエリアも広がってきたし、大手キャリアはデータ定額プランもあるし、ヘビーユーザーでなければ自宅に光回線は引かずにテザリングで済ませてしまおうという人も少なくないだろう。

だが、今回のような長時間の通信障害のリスクを考えるなら、自宅も光回線があった方が絶対によい。外出先も自宅も通信できないとなると、テレビやラジオ以外のすべての情報は遮断され、本当に陸の孤島になってしまう。通信障害が起きていることすら知ることができない可能性だってある。

光回線のコストはマンションタイプでも月額3,500円くらいはするし、一人暮らしなんかだともったいないと思うかもしれないが、そのぶんモバイルのデータプランを安くするとかして工夫したいものだ。

今回の一件で、ぼくたちのスマホ依存が顕著になった

テレビやTwitterを見ていると、この3日間の通信障害によってかなり困ったという意見と、まあ別に困らなかったという意見がどちらも見られた。スマホやインターネットへの依存度は人それぞれなのだろう。

僕は、リスク回避ができていたというのもあるけど、そんなに困らなかった。ネットが使えなければ、オフラインでできることをすればいい。ブログを書くとか、本を読むとか、ランニングするとか。ちなみに、障害発生初日の7月2日は休みだったのだが、図書館に行って過ごした。

あと、休みの日に会社から電話が絶対に来ない安心感というのは、実に素晴らしかった。それこそデュアルSIMを活用して、プライベート用と仕事用で電話番号分けて、休みに日は仕事用の回線をオフラインにしておくのがいいかもしれない。欧州のどこかの国では、休日や休憩時間に電話をかけることも違法らしい。日本もそうならないかな(絶対にないだろう)

日本中どこに行っても電波がしっかり入って、いつでも連絡が取れたり、どこにいてもSNSでランチの様子をシェアできる時代というのは、一見すると素晴らしいようで、なんだか息苦しいような気もする。オフラインだからこそ、自分と向き合える時間もあるはずだ。62時間の電波のない時間は、そんなことを僕に思い出させてくれた。

買い物しようよ!

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