ある授業のレポートで、梶井基次郎の「檸檬」について書いた。提出したのはちょうど、東京を梅雨前線が去ったころだった。 どんな課題だったかというと、日本の近代文学をひとつ取り上げて、感想でも書評でもエッセイでもいいから書きな...
僕は夏の終わりの季節が一番好きだ。昔から変わらない。 それはどこか切なく、そして、新しい気持ちに入れ替えさせるような何か強いものを含んでいる季節だ。 春を始まりの季節だと考える人もいるが、僕にとっては夏の終わりこそがまさ...
「『とりあえず、5年』の生き方」というタイトルの、普段はまず読まないであろういわゆる自己啓発本とかいうやつを、書店で一気に立ち読みしてしまった。僕がここ1年言ってきたことが、見事にまとめられていたからだ。同じようなことを...
公開前からずっと見たかった映画「しあわせのパン」。結局見に行くタイミングを失ったまま5月になってしまった。見に行ったという友人の多くが「あれは予告編だけで十分だよ」と言う。だから、今は特に見たいとも思っていない。まあ、D...
春になると、誰だって恋愛小説が読みたくなる。風は北から南に変わり、夜がだんだん短くなる。公園のベンチに腰掛けて文庫本を開くには、春ほどふさわしい季節はない。というようなことを、きっと僕は秋にも言っていることだろう。 やり...
この記事はレビューというよりも、どちらかというと僕の偏見の塊だと思う。そして、今まで絶対に書かないようにしてきたこの種の記事を、勇気を出して書きます。そして、この記事を読んだからには絶対に見に行く気が失せると思いますので...
すべての物語は喜劇と悲劇にわけられる。そんな言葉がふと浮かんでは消える。出尽くされたなハッピーエンドや、ほかほかする小説もいいけど、期末試験明けのカフェで一気に読む美しい悲劇は、それに代わることのできない力強さを持ってい...
最近、というわけでもないが、私が一年中ハマっているもののひとつに、Twenty Fourシリーズがある。キーファー・サザーランド演じるジャック・バウアーは常に的確に行動し、そして誰よりもかっこいい。たとえ1時間だけでも見...
石田衣良を読み始めたのは、高校生のはじめの頃だっただろうか。最初に何を読んだのか、どこの書店で出会ったのか、あるいは誰かに勧められたのか、まったく覚えてない。ただひとつ言えることは、石田衣良が以来私にとって最も好きな作家...
新学期が始まった。何か新しいことが始まるわけでもなく、ただゆっくりと新学期が始まった。何人かの友人と相談して時間割を決めて、暖かな春とともに新学期が始まった。 春休みから読みかけだった、江國香織の「東京タワー」をついに読...
最近はもっぱら邦画にハマっていて、洋画というとTwenty Fourくらいしか見ていない。邦画というと、ダラダラとした脚本、小さい音量のセリフ、ゆっくりなカメラワーク…といった偏見が少なからずあるだろう。だからこそ、TS...
どっかのCS放送で、小田和正のミュージックビデオの特集をやってたから、ちょっと録っておいて、今見ている。曲はもちろんだけど、映像もなんか素敵で、涙を誘う。映像って、写真のひとつ上の次元にあるんだと思う。時間軸が加わるとい...